荒井伸也税理士事務所

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名義預金

 税務調査で必ず問題にされるのは「名義預金」です。 「名義」は妻や子供でも被相続人の所有物と認められ相続財産となる財産のことです。  その預金の資金は誰が出したのか、日頃のその預金通帳や印鑑、カードは誰が保管しているのか、名義人は日頃から自由に引き出していたか、、、などをいろいろ調査して、預金の名義人は「妻」「子」でも被相続人の財産と税務署側が認定すれば修正申告を指導されます。  海外には夫婦共有の預金口座もあるようですが、日本では夫婦共同や家族全員の預金口座はありません。  夫婦の資金が混ざっている口座でもどこかで割り切って線引きする必要があります。  妻への慰労から夫の働いた収入で「妻名義」の預金を作成することは、よく行われていると聞きます。  その時に「あげます」「もらいます」の意思の合意があれば贈与ですから、本来は贈与税の申告が必要です。  通常は夫婦の間で「名義は妻にするけれど、まだ夫の財産だ。 妻が自由にできる預金ではない」との暗黙の了解があるようですから、これなら「名義預金」で夫の財産です。

 税務調査で「妻名義の預金を作成した時に贈与税の申告をしていないから、まだ贈与ではない。 まだ夫の財産であり相続財産だ。」と言われることがありますが、贈与税の申告の有無と贈与事実の有無は無為関係です。