荒井伸也税理士事務所

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名義預金

こんな実例がありました。 相続開始時に被相続人の自宅には複数の孫名義の定期預金証書がありました。 孫はみんな同居はしておらず遠方に住んでいます。  これらは被相続人が節税のために同居する長男に相談して孫名義の預金を作成していたもので、相続人全員がその存在を知っていますし、受贈者である孫たちもその事実を知っていました。  相続税の申告書には、贈与済みであるとしてこれらの財産は計上してありません。  被相続人と同居していた長男は名義人の孫たちの承諾を得て、税務調査が終わり税金が確定するまでそのままの状態で保管していました。 この場合、、、、、贈与者と受贈者の間で贈与についての意思の合意がありますが、通帳や印鑑は被相続人の手元に保管されたままで受贈者が自由に使えた状態ではありませんから、名義預金は相続財産として申告書に計上されるべきものです。 贈与らしい行為はされていますが、所有権を留保された不完全な贈与であり、典型的な名義預金と言えます。